神奈川新聞社が主催する神奈川文芸賞2022の授賞式と講評会が18日、横浜ランドマークタワーの展望フロア「スカイガーデン」(横浜市西区)で開催された。受賞者やその家族ら約40人が参加し、言葉で思いを表現することの素晴らしさを共有した。
今回が初開催。短編小説と現代詩に加え、特設された25歳以下を対象としたU─25の計3部門で、応募総数はそれぞれ374編、646編、141編。国内外から応募があった。
短編小説部門は小説家の朝井リョウさんが審査員を務め、河村佳さん(36)=横須賀市=の「真珠の子」が大賞に輝いた。詩人の蜂飼耳さんが審査した現代詩部門の大賞は、岡部晋一さん(84)=横浜市港南区=の「故郷喪失」が選ばれた。
U─25部門最優秀賞は県立神奈川近代文学館スタッフ、神奈川新聞が運営する読者向けの友の会「かなとも」会員、県内高校生向けフリーペーパー「H!P」高校生記者らが審査し、水内治子さん(22)=同市栄区=の「水平線を定規に」が選ばれた。三菱地所横浜支店賞は田中鷹さん(23)=東京都練馬区=の「たびするいきもの」が受賞した(年齢はいずれも受賞発表時)。
須藤浩之社長は「今後も若年層の創作活動を支援し、神奈川に根差した文芸賞として育てていく」とあいさつした。
朝井さんは「ものすごくレベルが高くてびっくりした。神奈川の景色を作品を通して拝見できて、楽しい選考だった」と振り返り、蜂飼さんは「作者の思いが言葉の中からじわじわ伝わってくる作品を選びたいと読み進めた。素晴らしい作品が寄せられ、心から感謝している」と話した。
(柏尾 安希子)
横浜で神奈川文芸賞授賞式 審査員「レベル高い」
審査した朝井リョウさん、蜂飼耳さんらが見守る中、1人ずつ賞状が手渡された授賞式=横浜市西区のスカイガーデン(花輪 久写す) [写真番号:1147168]