神奈川新聞で月1回、第1日曜日に掲載している「歌俳柳」の入選作を紹介します(入選作の更新は紙面掲載翌日の正午を予定)。
5月:自由詠
日々のうた 選者詠:復本一郎
教室から唱歌聞こえて五月光
正岡子規は、没年の1902(明治35)年、2冊の画集「果物帖(くだものちょう)」「草花帖(くさばなちょう)」を残している。病臥(びょうが)の中での「写生」であるから「枕ニ頭ヲツケタマヽ」行われた。それでも「僕に絵が画けるなら俳句なんかやめてしまふ」とつぶやくほど絵を描くことが大好きだった。
俳句、短歌と同じように、絵を描くことも「写生」によって。「南瓜(かぼちや)より茄子(なす)むつかしき写生哉(かな)」「朝皃(あさがほ)や我に写生の心あり」など、「写生」体験をそのまま俳句化した作品も残している。
ふくもと・いちろう 1943年、愛媛県生まれ。国文学者。俳句の師系は正岡子規。著書に「正岡子規伝-わが心世にしのこらば」など。神奈川大名誉教授、神奈川文学振興会評議員。2012年から選者。22年度神奈川文化賞受賞。横浜市港北区在住。
7月の作品を募集中です。7月は自由詠です。
締め切り:5月31日必着
歌壇
選者:今野寿美/谷岡亜紀/佐佐木定綱
俳壇
選者:復本一郎/松尾隆信/星野高士
柳壇
選者:金子美知子/荻原美和子/加藤ゆみ子