他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. 大船の「観音食堂」、5月末再オープン 22年1月に全焼

大船の「観音食堂」、5月末再オープン 22年1月に全焼

話題 | 神奈川新聞 | 2023年5月25日(木) 05:00

今月末に再開する「観音食堂」の外観=鎌倉市大船1丁目

 昨年1月に火災で全焼したJR大船駅近くの活魚料理かんのん(鎌倉市大船1丁目)が今月末、再オープンする。地域住民から「観音食堂」と愛される老舗だ。深夜の火災から約1年4カ月。社長を務める武井大次さん(53)と姉の鈴三さん(60)は「常連客に支えられてここまで来られた。初めは、満足できる料理は提供できないかもしれないがやりきりたい」と話している。

 火災は昨年1月24日の午後10時50分ごろ発生。隣接する営業時間外の和洋菓子店から出火し、5時間半後に鎮火した。けが人はいなかったものの、同店と観音食堂の2棟が全焼した。

 出火当時、鈴三さんは店内に1人でいた。外の物音に気付き、店外へ行くと隣から出火していた。「ぼや程度で全焼するとは思わなかった」と当時を振り返る。火災の一報を受けた大次さんは、当時横浜市瀬谷区におり、車で30分ほどかけて店まで駆け付けた。消防団員でもある大次さんは「誤報もあるし、ぼやで済むのではないか」と考えながらハンドルを握っていたという。店舗の2階で暮らしていた鈴三さんは、着のみ着のままで焼け出され、真冬の車中で一晩過ごした。

 大次さんは「ここ数年で両親や102歳の祖母が亡くなり、店舗まで失うなんて」と肩を落とした。

 同食堂は1961(昭和36)年、先に開業していた鮮魚店に併設する形で開店。建物は昭和の時代のもので、鈴三さんは「当分は建て替えをする予定もなく、耐震補強やリフォームしながら大切に使ってきた」と語る。

 一晩で職場を失った大次さんと鈴三さん。鈴三さんに至っては、住居まで失った。鈴三さんは横浜市内の知人宅に身を寄せた。子どもが4人いる大次さんは「とにかく働かなきゃいけない」と、以前勤めていた水産物の卸売会社で急場をしのいだ。

閉店を選ばなかった理由とは

 
 

火事に関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング