猛烈な雨で神奈川県内各地が深刻な被害に見舞われた昨年10月の台風19号上陸から12日で1年。暮らしを取り戻し、再来に備える─。命の危険にさらされた人々の模索が続いている。
青々としたシュンギクの葉が穏やかな秋の風に揺れていた。
相模原市緑区で湯浅史隆さん(43)が営む「相模湖ひぐらし農園」に、1年前の傷跡は残っていない。
しかし今、作物の出来栄えを左右する自然への向き合い方は、大きく変わった。「どうすれば被害を減らせるのか」。あの日以来、湯浅さんはずっと頭を悩ませ続けている。
台風翌日、広がる惨状
台風19号1年(2)作物流出 恵みと牙、自然の現実
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昨年10月の台風19号の雨で崩れた崖の前に立つ湯浅史隆さん=相模原市緑区 [写真番号:376340]
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緑豊かな相模原市緑区では、土砂災害が多発した。この現場では住宅が押し流され、夫婦2人が亡くなった [写真番号:376487]