マスク外して─。気温上昇とともに学校現場の注意喚起が騒々しくなってきた。各地で熱中症による救急搬送が相次ぎ、「命に関わる重大な問題」と警戒する国が感染対策より熱中症予防を優先するよう繰り返し求めているからだ。新型コロナウイルスの流行から2年余り。原則着用の指導によってマスク生活が定着し、「いまさら外せなんて」と子どもたちから戸惑いも漏れてくる。
川崎市多摩区の市立菅中学校。体育の授業で、2年生34人が準備運動のランニングを始めた。一斉にマスクを外す中、3人は着けたまま。女子生徒(13)は「感染が心配。熱がこもったら外します」と答えた。
器械体操中も生徒は着けたり、外したりと慌ただしい。「間隔が取れていたら外して」「倒立中は外して、補助者は着けて」。指導する佐々木里佳教諭(54)は「運動に夢中になっていると着けているのを忘れやすい」と体調変化に気を配る。気温や熱中症の危険度を表す「暑さ指数」を確認し、休憩や水分を小まめに取るよう心がけているという。
子どもなりの外せない理由
猛暑に命の危険も 学校で「マスク外して」 戸惑う子ども
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感染対策と熱中症予防で場面に応じて着脱を選び分ける生徒たち=6月17日、川崎市立菅中学校 [写真番号:1096716]