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マンション一室に猫54匹…多頭飼育の現実 鎌倉の現場

社会 | 神奈川新聞 | 2014年6月24日(火) 03:00

マンション室内に残されていた猫。保護しようとするボランティアを警戒し、逃げ回る場面も=鎌倉市
マンション室内に残されていた猫。保護しようとするボランティアを警戒し、逃げ回る場面も=鎌倉市

 鎌倉市植木にあるマンションの一室に猫54匹が放置され、飼い主から要請を受けた市民団体などが保護していることが23日、分かった。飼い主は25日までにマンションから立ち退かなければならないという。藤沢市内の民家でも33匹が見つかり、保護した猫は87匹に上る。ボランティア宅などに分散して一時保護されており、団体は里親を探している。

 神奈川県の登録ボランティアで、「たんぽぽの里」(相模原市中央区)代表の石丸雅代さんによると、飼い主の女性から19日、「多頭飼いをしているが、臭気から苦情が出るようになった。力にすがらなければならない」というメールが同団体にあり、同日にマンションを確認すると、ふん尿や猫の毛が散乱しハエが飛び回る3LDKの室内から数十匹の猫が見つかった。


室内には猫の毛玉や糞尿が大量に残されていた=鎌倉市
室内には猫の毛玉や糞尿が大量に残されていた=鎌倉市

 石丸さんが県内の市民ボランティアに呼び掛け、翌20日から猫の運び出し作業を実施。約30人が室内からの保護や動物病院への搬送などに奔走し、23日までに計54匹を救出した。

 猫の大半は毛の長い「チンチラ」の雑種とみられ、いずれもやせ細っていた。長毛が絡まって広範囲にわたってはがれたり、目がつぶれたり、足が折れている猫もおり、10匹以上が動物病院に入院した。


毛玉や糞尿に覆われた部屋に、残されていた猫=鎌倉市
毛玉や糞尿に覆われた部屋に、残されていた猫=鎌倉市

 石丸さんは「あまりにもひど過ぎる。避妊・去勢手術をせず放置したことで多頭飼育に陥ったことが原因ではないか」と推測。室内の汚損状況などから、数年にわたって不衛生な状態で飼育されていたとみられる。同じ飼い主の申告で、藤沢市内の民家からも33匹を保護した。


室内に放置された猫を保護する市民ボランティアたち=鎌倉市
室内に放置された猫を保護する市民ボランティアたち=鎌倉市
 
 

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