二つの大震災、平成最悪の豪雨、戦後最悪の火山噴火-。忘れようのない深刻な災害が「平成」に続発した。浮き彫りになった教訓をわが身に引きつけて見つめ直し、身近なリスクに備えたい。
1995年の阪神大震災は「直下型」の恐ろしさをまざまざと見せつけた。81年5月以前の旧耐震基準で建てられた住宅が次々と倒壊。未明の発生だったため就寝中に圧死や窒息死した人が多く、自治体による耐震化支援の動きが広がるきっかけとなった。
しかし、20年余りを経た2016年の熊本地震でも問題が解消されていない実態が明らかに。やはり耐震性の不足した古い住宅に被害が集中。震度7の激震を引き起こした活断層の危険性が地元住民らに認識されていないなど、阪神を機に政府が進めてきたリスク評価の在り方や妥当性が問われた。
住まいの耐震化は、津波から命を守る上でも欠かせない。倒壊に巻き込まれて負傷すると、避難が困難になるからだ。